横浜市民ギャラリーは、横浜ゆかりの作家の個展や、海外姉妹友好都市との交流展などを通じて、1300点に及ぶ作品を収蔵し、それらの作品を、年に一度のコレクション展で公開している。今回、2018年のコレクション展では「写真と素描でたどる横浜」と題し、様々な視点から切り取られた作品とともに、移りゆく横浜の風景をたどる。
本展では、1950〜70年代より横浜で活躍してきた五十嵐英壽、奥村泰宏、常盤とよ子、浜口タカシらの写真作品を紹介。あわせて、横浜開港120年の節目の年に開催された「横浜百景展」(1979)に出品された素描作品、上海との友好都市提携15周年を記念した「横浜市美術展・横浜百景」(1988)の際撮影された写真など、およそ100点が並ぶ。眼前の事物を写しとる写真と、即興的に描かれる素描という、2つのメディアに絞ることで、各作家の視点や表現に着目する。
さらに本展では2つの特集展示を同時開催する。「横浜市所蔵カメラ・写真コレクション」では、青葉区・横浜市民ギャラリーあざみ野所蔵の資料を紹介。1790年頃の「カメラ・オブスクーラ」や19世紀後半の風景写真など貴重な資料から、写真と絵画の関係を探る。また、「漫画家・ヒサクニヒコが描いた横浜」では、ヒサが「ヨコハマ漫画フェスティバル」(1978)に出品した作品5点に加えて、関連作品をあわせて展示し、ヒサの描く横浜の姿を紹介する。