海軍に勤める父の長男として神奈川県横須賀市に生まれた青山義雄(1894〜1996)は、早くから画家を志し、1921年に渡仏。肺病の療養のため訪れた南フランスでマティスに出会い、「この男は色彩を持っている」と高く評価される。その後もパリや南フランスのカーニュを拠点に活動し、叙情的な作風で注目される存在となった。
青山が幼少期を過ごした横須賀で開催される本展では、22年にサロン・ドートンヌに入選した大作《二人の男》や、38年の第2回新文展に審査員として出品した《北洋落日》といった代表作を含む約110点を展示。
デフォルメされた人や動物が登場する幻想的な初期作品から、92歳で帰国した後、ふるさと横須賀の海を描いた「浦賀水道」シリーズまで、70年以上にわたる青山の画歴をたどる。