1938年大阪府生まれの森山大道は、フリーのグラフィックデザイナーを経て、写真家の岩宮武二および細江英公のアシスタントとして活動した後、64年に独立。68年、写真同人誌『プロヴォーク』に参加し、「アレ・ブレ・ボケ」と形容される作風で写真界に衝撃を与え、今日に至るまで国内外で100タイトル以上の写真集を出版するなど精力的な活動を続けている。
「景」と題された本展は、NADiff Galleryでの約4年ぶりの新作展。2017年に刊行された写真集『K』に収録された最新作を、同書に収録のエッセイ「原点と現点――ニエプスへの旅/今日の三匹」を糸口とした構成で展示する。
エッセイ「今日の三匹」の中で、「俗世俗界を俗のままにコピーしつづけること、東京中をうろつく日々こそ、ぼくが生き写真を撮る意味の全てなのだと感じる他ない」と語る森山。本展では、コンパクトカメラを携えた森山が、東京の街で追い求めた様々な「K=景」の断片をたどることができる。
会期中の1月25日には、NADiff a/p/a/r/t店内にて、森山によるトークイベントも開催される。