神経衰弱楽園

　新宿のGallery -1で「神経衰弱楽園」展が開催。エド・オリバーとジェレミー・ベンケムンのコラボレーションから生まれたビデオインスタレーションを公開する。

「神経衰弱楽園」は、これまでの両作家の作品とは異なり、3本のビデオで構成されている。これらのビデオは、日常生活のパラドックス、プライベートとパブリックのあいだをつねに妥協する人間の能力の限界、そしてその前に主人公が避けられない精神的な崩壊を探求している。

「自分の周りが崩壊していく世界の中で、どうやって生き続けるのか」。シンプルな問いを投げかける本展は、皮肉、喜劇、悲劇を織り交ぜながら、ただ生き残るために周囲の混乱にもかかわらず、目の前の存在に集中する人間の必要性に賛辞を贈るものだ。

　参加アーティストのエド・オリバーは写真、テキスタイル、パフォーマンス・アートを中心に、ジャンルを越え国内外で活動を行っているマルチ・アーティスト。ドラァグクイーン「Andromeda」としても活動するほか、世のなかの当たり前に「違和感」を問いかける雑誌『IWAKAN』の編集に携わっている。

　他方、ジェレミー・ベンケムンはフランス・カンヌ出身。現在は東京を拠点に活動を行っている。同じく雑誌『IWAKAN』の編集者。クィアアーティストとして、アイデンティティやセクシュアリティを問う活動や作品を多数発表し、つねに社会とクリエイティブの関係を模索し続けている。