AdvertisementAdvertisement
EXHIBITIONS

堀越達人「小さい頃は神様がいて」

2022.04.20 - 05.14

堀越達人 Symbol 2022

堀越達人 海の見える街(a town facing the sea) 2022

堀越達人 森の中へ(inside the forest) 2022

堀越達人 暗闇くんこんにちは(Hello darkness, my old friend) 2022

 今年2月にオープンしたKanda & Oliveiraが、世界からも注目される若手作家・堀越達人の個展「小さい頃は神様がいて」を開催している。

 堀越は1985年群馬県生まれ。2010年多摩美術大学大学院美術研究科修了。これまで東京を中心に展覧会を開催しており、近年はフランス、香港、台湾でも発表してきた。少年や少女の油彩画ポートレイトで知られ、優しさと残酷さといったアンビバレントな陰影をたたえながら、人物をエモーショナルに描き出している。

 作家にとって過去最大規模の個展となる本展は、Kanda & Oliveiraの3つのフロアを活かし、ポートレイトを含めた35点超の新作で構成される。

 アーティストとしての環境の変化や迫りくる現実の問題に追われるなかで、堀越自身は「想像力の震源地」へ立ち返ることに取り組んだ。制作するなかで「自分が何を本当に描くべきなのか」という自問自答の末に生み出された作品は、より内面的な深まりを顕在させるものとなった。幼少期に造形そのものの面白さや色の響き合いを楽しんだように、その感覚を取り戻しながら制作した新作群は、ノスタルジックな余韻を含んでいる。

 また、制作スタジオを故郷の群馬に移したことや、コロナ禍の状況において人々との関わり方が限られたものとなったシチュエーションは、堀越の内面にも変化を与えている。それは「子供時代に感じた、永遠に続くような夏休み」を過ごすのに似たフィーリングを呼び起こすものであったと堀越は話す。小さい頃の思い出にある、誰もいない森や錆びて朽ちた森、暗がりの墓といった空間に認められた存在の気配と、作家が述べる「神様のようなもの」を画面上に召喚することも本展の重要なテーマのひとつといえる。

 本展は、Kanda & Oliveiraの3つのフロアを活かした構成も見どころのひとつ。ペインティングやドローイング以外にも、天使や悪魔をモチーフとしたシェイプトキャンバスの作品、トイピアノを素材とした立体オブジェに加えてインスタレーションにより「現実」と「夢」の世界の交流を描き出され、アーティストの想像力の一端にふれることができるだろう。