EXHIBITIONS

海野林太郎「マヌケだね 楽しい夜さ 好きだよ」

©︎ Rintaro Unno, 2022

©︎ Rintaro Unno, 2022

©︎ Rintaro Unno, 2022

 ビデオゲームの視点で映像を制作する注目のアーティスト、海野林太郎による展覧会「マヌケだね 楽しい夜さ 好きだよ」が、銀座 蔦屋書店(店内アートブックフロア)で開催される。

 海野は1992年東京都生まれ。2018年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。宗教的イコンやビデオゲームなど、⾃⾝のリアリティに根ざしたものをモチーフに、「異様な汎景」としての映像やインスタレーションを制作している。また⾃⾝の作品発表を⾏う傍ら、アーティストコレクティブ「カタルシスの岸辺」のコアメンバーとしても活動している。

 21年には、「アジアの未来派」と「アジアのSF⽂化」をテーマとした「Phantasmapolis – 2021 Asian Art Biennial 」(国⽴台湾美術館、2021〜2022)で、磯村暖とコラボレーションによる合作を発表。最近では、グループ展「多層世界の歩き⽅」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、東京、2022)へ参加。映像とインスタレーションを⽤いて、同時代の⾝体感覚を探りながら、⽣と死、世界の多重性を引き出すその作品は大いに注目されている。

 本展は、銀座 蔦屋書店5周年記念企画のひとつとして、これからの5年間の始まりにメディアアートとしての「映像作品」と、能動的なアート鑑賞の体験を提案するもの。海野が書棚を周遊するインスタレーションが実施されるほか、営業終了後の銀座 蔦屋書店を舞台に撮影された、深夜の書店に妖精たちが集まる映像作品の新作《マヌケだね 楽しい夜さ 好きだよ》も公開される。

 銀座 蔦屋書店内の書棚を周遊するように、映像作品と写真作品が展⽰される本展は、書店空間はゲームにおける「ダンジョン」を喚起させ、まるで⼩さなダンジョンを探索するような能動的な鑑賞体験を通して、現実とヴァーチャルなイメージが重なったリアリティを探る。

 また今回の展覧会を記念して、海野の活動をまとめたZINEも制作され、5月下旬より銀座 蔦屋書店から刊行予定だ。