EXHIBITIONS

手嶋勇気 絵画展「ひろしまスケッチ vol.2」

2022.04.02 - 04.23

手嶋勇気 I've Got Peace Like a River(AID#29)

手嶋勇気 AID#14

手嶋勇気 AID#16

 EUREKAは、広島を拠点に活動する画家、手嶋勇気の個展「ひろしまスケッチ vol.2」を開催する。

 手嶋は1989年北海道生まれ。2012年に広島市立大学芸術学部美術学科油絵専攻を卒業後、14年に同大学芸術学研究科を修了。写実絵画の技法研究と制作を経て、即興的でドローイングのような絵画を制作、現在は自身が住んでいる広島の「風景」を主な題材として描いている。

 手嶋にとって、広島の風景を題材とすることは、土地の歴史的な文脈や文化的な文脈に自身が接続される試みでもある。その作品には、イメージと時間が幾層にも重ねられ、多様な読み解きの可能性が開かれており、作品の奥には人と静物との平和的な共生の在り方について希求する作家の思いが通底している。

 また近年は、ドローイング制作アプリケーションを使ってスマートフォンの画面上に指を滑らしてスケッチし、それをキャンバスに投影して油絵で描くという手法を用いている。

 本展では、大作5点を中心とした油絵作品を展示。作家のコメントを出している。

「10年以上も同じ場所に住んでいるとその場所について知っていくもので、当地の画家たちについて知るようになった。

広島の画家は、凄惨な体験や反戦・平和を描くかたわら、沢山の街並みのスケッチを残している。僕にはそうした行為が、複雑な状況下で新しくなっていく街並みを受け入れ、愛そうとする試みに思えた。

引き継げない歴史や感情が沢山ある中で、彼らの行為に絵画を通じて同化しつつ別の仕方でやり直していくことが、イメージが固定化し、均質化しつつある都市にとって大切なことになりうるのではないだろうか(手嶋勇気)」。