EXHIBITIONS

出版120周年 ピーターラビット™展

2022.03.26 - 06.19

《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》ビアトリクス・ポター 1902年
ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017

《『ピーターラビットのおはなし』初版:濃茶色厚紙装丁》フレデリック・ウォーン社 1902年
ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2021

《ウサギの頭部習作》ビアトリクス・ポター 1890年頃
ヴィクトリア&アルバート博物館(リンダーコレクションからの寄贈)
Courtesy of The Victoria and Albert Museum and Frederick Warne & Co.

《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》ビアトリクス・ポター 1902年
ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017

《ピーターラビットのぬいぐるみ》シュタイフ社 1908年
ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2015

 いまなお世界中で愛され続けるいたずらなウサギ、ピーターラビット™。その誕生前夜から今日に至るまでの歩みを振り返る展覧会「出版120周年 ピーターラビット™展」が、世田谷美術館で開催される。

「ピーターラビット」シリーズは、愛くるしく魅力的な動物たちが、美しい自然のなかで織りなすウィットに富んだ物語。作者のビアトリクス・ポター(1866〜1943)は、ロンドンの裕福な家庭に生まれ、幼い頃から絵を描く才能を発揮し、とくに小動物を好んで描いていた。挿絵画家として仕事を始めた頃、元家庭教師の息子、ノエル・ムーアの療養を見舞う、いたずら好きなウサギのピーターについての絵手紙を送ったことから「ピーターラビット」シリーズが始まった。

 1902年刊行の『ピーターラビットのおはなし』を皮切りに、1930年まで次々に出版。シリーズは23冊まで数え、世界中で2億5000万部を超えるロングセラーとなっている。またビアトリクスは絵本だけではなく、ピーターラビットの様々な関連商品も手がけた。

 絵本のキャラクターを商品化するための特許を取得したのは、ビアトリクスが最初の人物だと言われている。その情熱はイギリスの湖水地方の景観を守ることにも向けられ、著書によって得た収入を元に広大な土地を次々と購入し、農場経営を通して、生涯に渡りその自然を守り続けている。ビアトリクスの没後、そのほとんどすべての土地と建物はナショナル・トラストに寄贈されている。

 本展は、シリーズ第1作『ピーターラビットのおはなし』の出版120周年を迎えることを記念。盛大なバースデイパーティをテーマに、作品の原点となった絵手紙《ノエル・ムーア宛ての絵手紙》の直筆オリジナルや、スケッチ、挿絵原画、ビアトリクスの発案による貴重な関連アイテムなど、日本初公開作品を含むおよそ170点を一挙展示する。

 さらに会場には、特大のバースデイケーキが登場。ピーターラビットの世界を体験できるイギリス湖水地方のテーマパーク「The World of Beatrix Potter Attraction」が本展のために特別に制作した、高さ1.8メートルのバースデイケーキで、ピーターラビットの誕生日を来場者と一緒に祝う。

PETER RABBIT™ & BEATRIX POTTER™ © Frederick Warne & Co., 2022