EXHIBITIONS
高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.10
ここに境界線はない。/?
独創性・将来性のある優れた作家を発掘・紹介する現代美術のグループ展「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」の11回目が開催。今回は「ここに境界線はない。/?」をテーマに5人の作家、ウチダリナ、久保寛子、潘逸舟、ユアサエボシ、森栄喜を迎える。
画材や制作方法、テーマやコンセプトが先進的であり前衛的な表現を追求するコンテンポラリー・アートは、既成概念を覆し、心の内に引いていた境界線をなくしてくれる。そのいっぽうで、社会や人々の意識のなかに存在する不当な境界線を明らかにするものでもある。
蛾や自身の身体をモチーフに、和紙を焦がして模様を描きだす手法で表現するウチダリナ(1990年、東京都生まれ)は、本展では、和紙の作品に加えて、自身の出自にまつわる出来事を平成という時代に投影させた物語を写真と映像作品で見せる。先史芸術や民俗芸術などをインスピレーションの源に制作を続ける久保寛子(1987年、広島県生まれ)の身近な素材を用いた作品は、新しい彫刻の可能性を提示する。
潘逸舟(ハン・イシュ、1987年、中国・上海生まれ)のイサム・ノグチ設計のモエレ沼公園でのパフォーマンスをもとにしたビデオインスタレーションは、人工と自然、自己と他者、現在と過去の対比を想起させ見る者の価値観を揺るがす。「大正生まれの架空の三流画家であるユアサヱボシ」として作品を制作するユアサエボシ(1983年、千葉県生まれ)は、史実を下敷きにした虚構と妄想の世界に私たちを誘う。
セクシャルマイノリティーをはじめとする多様性をテーマに、写真や映像、文章、パフォーマンスなど様々な手法で表現する森栄喜(1976年、石川県生まれ)は、社会のなかでかき消されてしまう「小さな声たち」を紡いだ音の作品を展示。そのなかで高松市在住の音響作家のばばまさみ(1995年、兵庫県生まれ)とのパフォーマンスも行う。
5人の作家の独自の手法による作品にふれることで、私たちは、様々な人やもの、ことを知らず知らずの内に分断する「境界線」を飛び越える手がかりを見つけることだろう。
画材や制作方法、テーマやコンセプトが先進的であり前衛的な表現を追求するコンテンポラリー・アートは、既成概念を覆し、心の内に引いていた境界線をなくしてくれる。そのいっぽうで、社会や人々の意識のなかに存在する不当な境界線を明らかにするものでもある。
蛾や自身の身体をモチーフに、和紙を焦がして模様を描きだす手法で表現するウチダリナ(1990年、東京都生まれ)は、本展では、和紙の作品に加えて、自身の出自にまつわる出来事を平成という時代に投影させた物語を写真と映像作品で見せる。先史芸術や民俗芸術などをインスピレーションの源に制作を続ける久保寛子(1987年、広島県生まれ)の身近な素材を用いた作品は、新しい彫刻の可能性を提示する。
潘逸舟(ハン・イシュ、1987年、中国・上海生まれ)のイサム・ノグチ設計のモエレ沼公園でのパフォーマンスをもとにしたビデオインスタレーションは、人工と自然、自己と他者、現在と過去の対比を想起させ見る者の価値観を揺るがす。「大正生まれの架空の三流画家であるユアサヱボシ」として作品を制作するユアサエボシ(1983年、千葉県生まれ)は、史実を下敷きにした虚構と妄想の世界に私たちを誘う。
セクシャルマイノリティーをはじめとする多様性をテーマに、写真や映像、文章、パフォーマンスなど様々な手法で表現する森栄喜(1976年、石川県生まれ)は、社会のなかでかき消されてしまう「小さな声たち」を紡いだ音の作品を展示。そのなかで高松市在住の音響作家のばばまさみ(1995年、兵庫県生まれ)とのパフォーマンスも行う。
5人の作家の独自の手法による作品にふれることで、私たちは、様々な人やもの、ことを知らず知らずの内に分断する「境界線」を飛び越える手がかりを見つけることだろう。