EXHIBITIONS

高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.08

社会を解剖する

2019.09.28 - 11.04

加藤翼 Black Snake 2017 Photographing by Yukari Hirano

碓井ゆい  空(から)の名前 2013 Photo by Futoshi Miyagi

盛圭太  Bug report (Terminal) 2017 「Strings」(Drawing Lab Paris、フランス、2017)での展示風景

照沼敦朗 ミエナイノゾミちゃんの視界コンプレックス 2017 Photo by ERIC

村上慧  住を生活する(2017年8月28日熊本県熊本市) 2017

 高松市美術館で年に1度開催される現代美術のグループ展「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」。9回目となる今年は「社会を解剖する」をテーマに、碓井ゆい、盛圭太、照沼敦朗、加藤翼、村上慧のアーティスト5名を迎える。

 手芸などの技法を用いた暖かくも儚い作品を生み出し、女性としての目線で日常や過去をとらえ直す碓井。糸による大規模なドローイングシリーズ「バグ・リポート」で、社会のバグ(誤り・欠陥)を表する盛。世界を見渡すことを望む男の子「ミエテルノゾム君」と、現実が見えすぎることを嫌悪する女の子「ミエナイノゾミちゃん」の目を通して社会を描き出す照沼。大勢の人の協力を得ながら行う「引き起こし」などのプロジェクトを通して、人や土地とのつながりを視覚化する加藤。そして、発泡スチロール製の家を背負いながら各地を歩くことで、公/私の関係を考察してきた村上。

 それぞれのアプローチで社会に切り込み、「解剖する」ことでその仕組みや実態を明らかにしようとする5名の作品は、社会における私たち自身の立ち位置に対する再考を促すだろう。