EXHIBITIONS

特別陳列「お水取り」

二月堂縁起絵巻・下巻 奈良・東大寺蔵

 奈良国立博物館が特別陳列「お水取り」を開催する。東大寺でお水取りが行われるこの時季にあわせた、毎年恒例の企画。

 お水取りは東大寺の二月堂で行われる仏教法会で、正式には修二会と言う。法会の目的は、仏の前で罪過を懺悔すること(悔過)。現在は3月1日〜14日までの間、心身を清めた僧(練行衆)が十一面観音の前で宝号を唱え、懺悔し、あわせて天下安穏などを祈願する。

 お水取り(修二会)は、752(天平勝宝4)年に東大寺の実忠和尚が初めて十一面悔過を執行して以来、一度も絶えることがなく不退の行法として、1270年にわたって続いている。そこには東大寺が歩んできた長い歴史が刻み込まれている。

 奈良国立博物館が開催する特別陳列では、実際に法会で用いられた法具や、歴史と伝統を伝える絵画、古文書、出土品などを展示。お水取り(修二会)への理解が深まる一助となることを企図している。