EXHIBITIONS

Seven / Seven:The Fraught Landscape

エド・ルシャ Japan Is America 2020 © Ed Ruscha

デイヴィッド・ハモンズ Orange is the New Black 2015 © David Hammons

デイヴィッド・ハモンズ Orange is the New Black 2015 © David Hammons

中村宏 一つ目娘の乱痴気騒ぎ 1969 © Hiroshi Nakamura

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

「Seven / Seven:The Fraught Landscape」展示風景 All Artworks ©︎ Artists

 ファーガス・マカフリー 東京が、「Seven / Seven:The Fraught Landscape(荒涼とした風景)」展を開催している。

  2019年にニューヨークのファーガス・マカフリーで開催された「Japan is America」展の続編に位置する本展は、黒澤明監督の日本映画『七人の侍』(1954)と、それに倣い制作された西洋の象徴的映画であるジョン・スタージェス監督『荒野の七人(原題:The Magnificent Seven)』(1960)からタイトルを取っている。

 本展では、ニューヨーク展における日本とアメリカのあいだに見られた芸術的相互関係の探求を引き継ぎ、太平洋を横断する物語性をさらに推し進め、シネマ的なレンズを通して国をまたぐ文化的景観をとらえることを試みる。

 出展作家は、セシリー・ブラウン、アナ・コンウェイ、ミルフォード・グレイヴス、デイヴィッド・ハモンズ、池田龍雄、鴻池朋子、久保田成子、中村宏、リチャード・ノナス、エド・ルシャ、植田正治、ジョセフ・オリサエメカ・ウィルソン。

 主に1985〜2021年に制作された作品が中心となる本展では、良心や自己の主張が東洋と西洋の現代アーティストにとっていかに中心的な関心となっているかを考察する。叙事詩と西洋の型から始まり、静止したイメージから動的な映像へと変換されるプロセスを考察し、これらのジャンルのダイナミズム、ドラマ、そしてそれぞれの性質により成立している作品が並ぶ。

 展示は、戦後の日本人作家、池田龍雄と中村宏による政治的関心を持つ作品から、日本とアメリカの歴史的、政治的関係について直接的に言及する作品、また黒澤明監督作品のような、叙事詩的映画と共通した美学的な関心が読み取れる作品などを経て、リチャード・ノナスが人類学者としてフィールドワークを行っていた頃に出会ったであろう、男性たちが写るCプリントにオイルスティックでドローイングされた作品で締めくくられる。これら10名を超えるアーティストによる作品群は、日本とアメリカの社会的、政治的、芸術的環境に関する多様な視点を私たちに提示する。

 数十年にわたる文化圏を超えた作品群を展望する「Seven / Seven」展は、歴史的でありながら現代的、映画的なコンセプトに根ざしながら、今日において重要な日米のアーティスト間に見られる切迫した関係性を明らかにすることを目指す。

 なお会期中には、フランチェスカ・ガビアンニ、MAGOのスペシャル・スクリーニングも予定している(詳細、後日発表)。