EXHIBITIONS
RED 堀清英 写真展
シャネル・ネクサス・ホールは2022年第一弾の展覧会として、写真家・堀清英による個展「RED」を開催する。
堀は愛知県出身。明治大学在学中の1980年代、デザイン事務所でのアルバイトを機に写真に興味を持つ。カナダの写真家、ユサフ・カーシュに自身のポートレイトを依頼したことをきっかけに、本格的に写真を始め、91年よりニューヨークのICP(国際写真センター)で学び、作品制作を開始。97年に帰国後、ファッション誌やカルチャー誌で活躍するとともに、ミュージシャンのCDジャケットやライブ写真を手がける。現在は自身の作品制作を基盤に、人物写真を中心に撮影している。
とくにアーティストのポートレイト作品で知られる堀だが、大きな影響を受けた作家として第一に挙げているのは、堀自身が人生の要所で作品や本人に何度も出会ってきたビートニク詩人のレジェンド、アレン・ギンズバーグだ。東日本大震災後にまとめたシリーズ「re;HOWL」(2017)は、ギンズバーグの代表作『Howl(邦題:吠える)』の冒頭にある一節、「僕は見た狂気によって破壊された僕の世代の最良の精神たちを……(*)」に触発され、アイロニカルな視線を現代社会に向けて制作された。
そして、今回初公開となる表題作「RED」で、堀は視線の向ける先を自己の内へと転じ、「『自分』とは何者か?」という問いへの答えを追求している。公園に残る古い遊具、ゴミ処理場、科学館と様々な場で撮影されたすべての写真には、赤いワンピース姿の女性が登場するが、それらすべては堀の「自分自身を投影した、セルフポートレート」であると言う。
本展では「RED」シリーズのほか、シュルレアリスムからの影響をより強く感じさせる90年代以降の作品群や、創作活動の原点ともいえる手製のフォトブックなどを3部構成で展示。自身の写真作品はサイコロの目のように偶発的に導かれたピクチャーポエムであるという堀の、自己探求の道程を示すものとなる。
*──アレン・ギンズバーグ『吠える』(諏訪優訳編『増補改訂ギンズバーグ詩集』思潮社刊、初出『Allen Ginsberg, Howl and Other Pems』1956)より。
堀は愛知県出身。明治大学在学中の1980年代、デザイン事務所でのアルバイトを機に写真に興味を持つ。カナダの写真家、ユサフ・カーシュに自身のポートレイトを依頼したことをきっかけに、本格的に写真を始め、91年よりニューヨークのICP(国際写真センター)で学び、作品制作を開始。97年に帰国後、ファッション誌やカルチャー誌で活躍するとともに、ミュージシャンのCDジャケットやライブ写真を手がける。現在は自身の作品制作を基盤に、人物写真を中心に撮影している。
とくにアーティストのポートレイト作品で知られる堀だが、大きな影響を受けた作家として第一に挙げているのは、堀自身が人生の要所で作品や本人に何度も出会ってきたビートニク詩人のレジェンド、アレン・ギンズバーグだ。東日本大震災後にまとめたシリーズ「re;HOWL」(2017)は、ギンズバーグの代表作『Howl(邦題:吠える)』の冒頭にある一節、「僕は見た狂気によって破壊された僕の世代の最良の精神たちを……(*)」に触発され、アイロニカルな視線を現代社会に向けて制作された。
そして、今回初公開となる表題作「RED」で、堀は視線の向ける先を自己の内へと転じ、「『自分』とは何者か?」という問いへの答えを追求している。公園に残る古い遊具、ゴミ処理場、科学館と様々な場で撮影されたすべての写真には、赤いワンピース姿の女性が登場するが、それらすべては堀の「自分自身を投影した、セルフポートレート」であると言う。
本展では「RED」シリーズのほか、シュルレアリスムからの影響をより強く感じさせる90年代以降の作品群や、創作活動の原点ともいえる手製のフォトブックなどを3部構成で展示。自身の写真作品はサイコロの目のように偶発的に導かれたピクチャーポエムであるという堀の、自己探求の道程を示すものとなる。
*──アレン・ギンズバーグ『吠える』(諏訪優訳編『増補改訂ギンズバーグ詩集』思潮社刊、初出『Allen Ginsberg, Howl and Other Pems』1956)より。