EXHIBITIONS

須藤絢乃展「VITA MACHINICALIS」

2022.01.07 - 01.30

須藤絢乃 VITA MACHINICALIS 2018 © Ayano Sudo Courtesy of MEM

須藤絢乃 VITA MACHINICALIS 2018 © Ayano Sudo Courtesy of MEM

須藤絢乃 VITA MACHINICALIS 2018 © Ayano Sudo Courtesy of MEM

須藤絢乃 VITA MACHINICALIS 2021 © Ayano Sudo Courtesy of MEM

 須藤絢乃の個展「VITA MACHINICALIS」がMEMで開催される。本展は、NADiff Gallery(同ビル地下1階)での「Anima / Animus」展との同時開催となる。

 1986年大阪府生まれの須藤は、被写体の性別を超えた変身願望や理想像を写真に納め、少女マンガのカラー原稿と写真の狭間にあるような作品を発表してきた。初期はデジタル加工で模様などのデコレーションや、プリント表面にラインストーンやグリッターを施し、須藤自身や被写体が求める世界を写真によって具現化。行方不明の少女たちを題材にした「幻影」(2013)以降は、仮想世界と現実を行き来するようなシリーズを展開している。

「VITA MACHINICALIS」はバーチャルとリアルのあわいに揺らぐ美しさを探り、生身の人間をアンドロイドのように撮影したシリーズ。須藤は、コロナ渦以前の2018年に深夜の都心で、人々がいなくなった街の不気味さを感じ、高層ビルや近未来的な建築物に、人ではなく機械が暮らす様を思い描いたことが制作のきっかけだったと言う。

 本展では、「VITA MACHINICALIS」シリーズに撮り下ろしの新作を加えて再構成する。

 現在、写真加工アプリでは人の顔はまるで人形のように仕上げられ、アンドロイドやCG技術では生身の人間らしく演出するためにシワやホクロをあえて加えている。現実への欲望と、仮想に求めるリアルが交差する現代において、美しさや自分らしさとは何か、須藤の作品からは様々な価値基準が揺さぶられる。