EXHIBITIONS
須藤絢乃「Anima / Animus」
NADiff Galleryで、須藤絢乃の個展「Anima / Animus」が開催される。本展は、MEM(同ビル3階)での「VITA MACHINICALIS」との同時開催となる。会期は1月7日~30日。
須藤は被写体の性別を超えた変⾝願望や理想像を写真に納め、少⼥マンガのカラー原稿と写真の狭間にあるような作品を発表している写真家。⾏⽅不明の少⼥たちを題材にした「幻影」(2013)で、2014年キヤノン写真新世紀グランプリを受賞し、⼀貫して仮想世界と現実を⾏き来するようなシリーズを展開している。
本展では、キヤノンのドリームラボで印刷された限定版写真集の刊⾏を記念して、2015年に逝去した画家・⾦⼦國義の⾃宅で、2019年に建物が取り壊される直前まで撮影した「Anima / Animus」シリーズを展覧する。
⾦⼦の作品世界との接点を指摘されてきた須藤は、「⾦⼦先⽣に会いに⾏かなければならない」という強い思いを抱えた。しかし、ついに対⾯の機会が訪れたその⽮先、⾦⼦はこの世を去った。「Anima / Animus」は、「その機会がもうこの世界に微塵も存在しない、という残酷な事実(椹⽊野⾐、『Anima / Animus』寄稿⽂より)」が作家を駆り⽴て、⾦⼦の関係者たちの協⼒のもと制作が叶った作品だ。写真集のタイトル「Anima(アニマ)」は、男性の無意識内にある女性的な側面を、「Animus(アニムス)」は女性の無意識内にある男性的な側面という意味があり、日本語では「魂」という言葉があてられる。
金子が描いてきた魅惑的な人物たちは、内なる魂の、いわば金子の分身の姿とも言える。またそれらが日々生み出された「金子國義の家」には半世紀以上の月日をかけて地層のように重なった数え切れないオブジェクトの一つひとつに金子の愛と魂の吐息がかけられて、美しい亡霊のように訪れる人々の魂を誘う。
須藤はその目に見えない「アニマ/アニムス」を擬人化し、ポートレイトという手法を用いて、滅びゆく美しい部屋のなかに宝石のように散りばめられていた魂の鱗片を今回発表する作品群「Anima/Animus」のなかに収めた。
本展は、MEMで開催される「VITA MACHINICALIS」展と同時開催となる。MEMではバーチャルとリアルのあわいに揺らぐ美しさを探り、いっぽうNADiff Galleryでは死や無意識の世界と⽣や意識の世界の間に揺らめく美しい存在を写し出した、対照を成すような展覧会。作家の最新作を鑑賞できる2つの展覧会に期待したい。
須藤は被写体の性別を超えた変⾝願望や理想像を写真に納め、少⼥マンガのカラー原稿と写真の狭間にあるような作品を発表している写真家。⾏⽅不明の少⼥たちを題材にした「幻影」(2013)で、2014年キヤノン写真新世紀グランプリを受賞し、⼀貫して仮想世界と現実を⾏き来するようなシリーズを展開している。
本展では、キヤノンのドリームラボで印刷された限定版写真集の刊⾏を記念して、2015年に逝去した画家・⾦⼦國義の⾃宅で、2019年に建物が取り壊される直前まで撮影した「Anima / Animus」シリーズを展覧する。
⾦⼦の作品世界との接点を指摘されてきた須藤は、「⾦⼦先⽣に会いに⾏かなければならない」という強い思いを抱えた。しかし、ついに対⾯の機会が訪れたその⽮先、⾦⼦はこの世を去った。「Anima / Animus」は、「その機会がもうこの世界に微塵も存在しない、という残酷な事実(椹⽊野⾐、『Anima / Animus』寄稿⽂より)」が作家を駆り⽴て、⾦⼦の関係者たちの協⼒のもと制作が叶った作品だ。写真集のタイトル「Anima(アニマ)」は、男性の無意識内にある女性的な側面を、「Animus(アニムス)」は女性の無意識内にある男性的な側面という意味があり、日本語では「魂」という言葉があてられる。
金子が描いてきた魅惑的な人物たちは、内なる魂の、いわば金子の分身の姿とも言える。またそれらが日々生み出された「金子國義の家」には半世紀以上の月日をかけて地層のように重なった数え切れないオブジェクトの一つひとつに金子の愛と魂の吐息がかけられて、美しい亡霊のように訪れる人々の魂を誘う。
須藤はその目に見えない「アニマ/アニムス」を擬人化し、ポートレイトという手法を用いて、滅びゆく美しい部屋のなかに宝石のように散りばめられていた魂の鱗片を今回発表する作品群「Anima/Animus」のなかに収めた。
本展は、MEMで開催される「VITA MACHINICALIS」展と同時開催となる。MEMではバーチャルとリアルのあわいに揺らぐ美しさを探り、いっぽうNADiff Galleryでは死や無意識の世界と⽣や意識の世界の間に揺らめく美しい存在を写し出した、対照を成すような展覧会。作家の最新作を鑑賞できる2つの展覧会に期待したい。