EXHIBITIONS

塩田千春「いのちのかたち」

那覇文化芸術劇場なはーと 小スタジオ、1階共用ロビーほか
2021.12.04 - 2022.02.20

塩田千春 いのちのかたち 2021 © Chiharu Shiota

塩田千春 小さな記憶をつなげて 2021 © Chiharu Shiota

塩田千春 希望のダンス 2021 © Chiharu Shiota

 2021年10月に開館した「那覇文化芸術劇場なはーと」で、現代美術家・塩田千春の個展「いのちのかたち」が開催。こけら落としに合わせて制作されたインスタレーションを展示している。

 塩田は大阪府出身、ベルリン在住。生と死という人間の根源的な問題に向き合い、「生きることは何か」「存在とは何か」を探求しつつ、その場所やものに宿る記憶といった、不在の中の存在感を糸で紡ぐ大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など多様な手法を用いた作品を制作してきた。

 那覇文化芸術劇場なはーとのために制作された新作は、首里城の破損瓦を使用した作品《いのちのかたち》を中心に、人々の願いをテーマにした市民参加型の作品《希望のダンス》のほか、人々が大切にしているものを糸でつなぐ作品《小さな記憶をつなげて》の3つのインスタレーションで構成される。

 2019年10月31日、首里城が焼け落ちていく姿を映像で目にし、その光景に衝撃を受けたと言う塩田。「焼け落ちてしまった首里城の瓦に命を吹き込みたい」という想いから、沖縄での作品構想は始まり、かたちとなって本展で披露される。
 
 沖縄の人々との交流や歴史、民俗資料などを通して、塩田の沖縄への眼差しが表現される空間を、新たに誕生した芸術劇場で体感してほしい。