EXHIBITIONS

収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-

2021.11.23 - 2022.01.30

小林清親 アラビアンナイト 制作年不詳

小林清親 自画像 明治末年頃

小林清親 九段坂五月夜 1880(明治13)

小林清親 上州榛名神前杈鉾岩 1887~1897(明治20~30)頃

小林清親 立雛図 明治時代後期

土屋光逸 雪の堅田 浮見堂 1934(昭和9)

 練馬区立美術館は、「収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-」を開催。小林清親(1847〜1915)の未公開作品、身の回りの遺品などを展示する。

 小林清親は、最後の浮世絵師とも呼ばれる、明治期を代表する浮世絵師。淡く明るい色調と光と影、天候や時間をも表現した、まるで水彩画のような東京名所シリーズは「光線画」と呼ばれ、人々の絶賛を浴びた。それ以降も、戦争画や歴史画、カリカチュア、戯画などを描き続け、浮世絵の有終の美を飾るとともに、明治生まれの若い芸術家たちに大きな影響を与えた。

 同館では2015年に、清親の没後100年を記念した「小林清親展 文明開化の光と影をみつめて」を開催した。デビューから最晩年まで、版画、肉筆画、スケッチ、遺品など300点で清親の生涯をたどったこの展覧会をきっかけに、清親の作品や資料、遺品類約300件の寄託を受け、そのなかには、世に「小林清親写生帖」として知られ、清親の光線画の源泉となったスケッチブックや未公開の下図や肉筆画、印章などの遺品が含まれている。

 本展は、収蔵品のなかから未紹介・未公開の貴重な作品・資料を展示。2015年の展覧会のサプリメント(増補)として、光線画の優品をはじめ、肉筆画やモノクロ図版でのみ紹介されたきりの『アラビアンナイト』が題材の水彩作品、また清親が前半生を絵日記のように綴った《清親自画伝》や、清親自らがデザインした身の回りの品々なども紹介する。