EXHIBITIONS
コレクション・マリアージュ:SOMPO美術館×鳥取県立博物館
東郷青児と前田寛治、ふたつの道
鳥取県立博物館は企画展「コレクション・マリアージュ:SOMPO美術館×鳥取県立博物館 東郷青児と前田寛治、ふたつの道」を開催。2館が所蔵する東郷青児と前田寛治の代表作を一堂に紹介する。
日本を代表する洋画家のひとり、東郷青児(1897~1978、鹿児島市生まれ)と前田寛治(1896~1930、現・鳥取県東伯郡北栄町生まれ)は、ほぼ同時期に日本の地方都市に生まれ、同じように西洋美術に惹かれて画家の道へと進んだ。2人のあいだに親交があったことは確認されていないが、画業の初期には同時期にパリに留学し、様々な美術や文化を吸収し、そして日本に戻って以降、東郷は二科会で、前田は1930年協会と帝展で自らの絵画を世に問うていった。
同時代のパリの空気を吸った2人だが、それぞれ作風は大きく異なる。モダンボーイと呼ばれた東郷の作品は、装飾的かつ洗練されたモダンな女性像により異国的情趣を伝えようするもの。いっぽう、学者肌の絵画探究者であった前田は、自身のなかにある詩的感性と西洋絵画の伝統を踏まえた写実性とを作品のうえで融合させようとした。時代を共有しながらも、2人が西洋から受け取ったもの、そしてそれによって培われた絵画論は異なり、画家それぞれの個性に応じて、両者の芸術は多様に花開いた。
本展は、東京のSOMPO美術館(旧・東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)の協力により、約240点の東郷作品と、東郷に関係する日本・フランスの画家の作品を収蔵する同館のコレクションから45点の作品と、約390点の前田作品と前田の周辺画家の作品を収集してきた鳥取県立博物館のコレクションから約50点を選び、それらを織物のように有機的に組み合わせて構成する。
パリを経由しつつ、大きく異なる作風を築いた東郷と前田。本展は2人の仕事を際立たせながら、互いに出会った日本とフランスの画家たちの作品にも焦点を当て、近代日本の洋画家たちが追い求め、築こうとしたものとは何かを見つめ直す機会とする。
東郷と前田の作品のほかに、SOMPO美術館からはゴーギャン、ユトリロなどの優品を紹介。なかでもゴーギャンの作品が鳥取県立博物館で展示されるのは、2009年の「ベルギー王立美術館コレクション展」以来、12年ぶりとなる。鳥取県立博物館のフランス絵画として、クールベの裸婦像とヴラマンクの風景画、ジョルジュ・ブラックやジョルジュ・ルオーの版画作品も展示する。
日本を代表する洋画家のひとり、東郷青児(1897~1978、鹿児島市生まれ)と前田寛治(1896~1930、現・鳥取県東伯郡北栄町生まれ)は、ほぼ同時期に日本の地方都市に生まれ、同じように西洋美術に惹かれて画家の道へと進んだ。2人のあいだに親交があったことは確認されていないが、画業の初期には同時期にパリに留学し、様々な美術や文化を吸収し、そして日本に戻って以降、東郷は二科会で、前田は1930年協会と帝展で自らの絵画を世に問うていった。
同時代のパリの空気を吸った2人だが、それぞれ作風は大きく異なる。モダンボーイと呼ばれた東郷の作品は、装飾的かつ洗練されたモダンな女性像により異国的情趣を伝えようするもの。いっぽう、学者肌の絵画探究者であった前田は、自身のなかにある詩的感性と西洋絵画の伝統を踏まえた写実性とを作品のうえで融合させようとした。時代を共有しながらも、2人が西洋から受け取ったもの、そしてそれによって培われた絵画論は異なり、画家それぞれの個性に応じて、両者の芸術は多様に花開いた。
本展は、東京のSOMPO美術館(旧・東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)の協力により、約240点の東郷作品と、東郷に関係する日本・フランスの画家の作品を収蔵する同館のコレクションから45点の作品と、約390点の前田作品と前田の周辺画家の作品を収集してきた鳥取県立博物館のコレクションから約50点を選び、それらを織物のように有機的に組み合わせて構成する。
パリを経由しつつ、大きく異なる作風を築いた東郷と前田。本展は2人の仕事を際立たせながら、互いに出会った日本とフランスの画家たちの作品にも焦点を当て、近代日本の洋画家たちが追い求め、築こうとしたものとは何かを見つめ直す機会とする。
東郷と前田の作品のほかに、SOMPO美術館からはゴーギャン、ユトリロなどの優品を紹介。なかでもゴーギャンの作品が鳥取県立博物館で展示されるのは、2009年の「ベルギー王立美術館コレクション展」以来、12年ぶりとなる。鳥取県立博物館のフランス絵画として、クールベの裸婦像とヴラマンクの風景画、ジョルジュ・ブラックやジョルジュ・ルオーの版画作品も展示する。