木島櫻谷 〜究めて魅せた「おうこくさん」

　福田美術館と嵯峨嵐山文華館の2会場で、展覧会「木島櫻谷 〜究めて魅せた『おうこくさん』」が開催される。木島作品の新出約50点を含むかつてない大規模展。

　木島櫻谷（このしま・おうこく、1877〜1938）は、京都で生まれた近代の京都画壇を代表する巨匠。精緻な花鳥画を描くことで当時の京都きっての人気作家であった今尾景年（いまお・けいねん、1845〜1924）に16歳から師事した櫻谷は、師風を受け継ぎ、そしてその枠内にはとどまらず、動物画や人物画、歴史画までもを究めた。

　本展は、近年関心が高まる木島の魅力を伝えるとともに、その芸術を通覧するもの。福田美術館では、文展の出品作《駅路之春》（福田美術館）や《和楽》（京都市美術館）、約110年ぶりの公開となる《細雨・落葉》（福田美術館）など65点を展示。櫻谷を一躍有名にした動物画をはじめ、人物、山水など多岐にわたる作品を通じ、画家としての足跡をたどる。