ワハブ・サヒード「SOME DAYS ARE DIAMOND」

　NANZUKA UNDERGROUNDでは、ナイジェリア人若手アーティスト、ワハブ・サヒードの世界初となる個展「SOME DAYS ARE DIAMOND」を開催する。

　サヒードは1998年、ナイジェリア最大の都市ラゴスに生まれ、国内で最高の美術学校のひとつであるヤバ工科大学を2019年に卒業、現在もラゴスにスタジオを構えるペインターだ。サヒードが木炭を用いて描く黒人の肖像画は、地元のマーケットで学費を稼ぐために描き続けた何百枚という似顔絵によって進化を遂げた。サヒードは地道な努力と習練を積み、何百人もの顔を描き続けるなかで、精神性をとらえるという肖像画におけるもっとも重要な基礎を学んだ。

　またサヒードは、19世紀後半〜20世紀半ばにかけての激動の時代を生き、社会的不公正と非人道性の犠牲者を雄弁に擁護したドイツの女性アーティスト、ケーテ・コルヴィッツから影響を受けている。そして近年の世界のアートシーンを席巻しているアモアコ・ボアフォが率いる新世代のアフリカ人アーティストが、黒人の肖像画を描くことで自らの生命と尊厳を表しているように、サヒードも、「アフリカ全体に新たな声が生まれています。私たちは現代アートシーンにおいて、私達の歴史を描くように、最善を尽くしています」と語っている。

　本展では、新作キャンバスペインティング約10点をNANZUKA UNDERGROUNDの1階スペースで展示。サヒードがとらえた、コロナ禍の渦中にあっても稀有に生きる友人や知人、家族たちの姿を描いている。