EXHIBITIONS

荒渡巌「曝光夢幻のニューロパシー」

2021.10.02 - 10.24

メインビジュアル 撮影=高見澤峻介

荒渡巌 映像物件 2017

荒渡巌 画像墓場 ―忘れ得ぬ風景― 2017 撮影=水津拓海

荒渡巌 月の下で眠りたい 2019

 荒渡巌(あらわたり・いわお)の初個展「曝光夢幻のニューロパシー」が代々木のギャラリーTOHで開催される。10月24日まで。

 荒渡は東京都生まれ。2017年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。超現代的な事物と「私」という一個体とのあいだに横たわる時間や風景、人間の営みに傾注し、制作を行っている。サロン・ド・プランタン賞受賞。主な展示に「カオス*ラウンジpresents『怒りの日』」(いわき駅周辺、福島)、「HouxoQue / 荒渡巌 ディスプレイの光」(関内文庫、神奈川、2019)などがある。

 若手芸術家による実験販売活動「カタルシスの岸辺」の店長でもある荒渡。いっぽう個人としては、自ら集めた廃材や映像機器などをもとにインスタレーションを制作してきた。初個展に際し、次のステイトメントを出している。

「障害を持った家族を連れて近所の公園を散歩にいくことがしばしば有ったが、天気のいい日はきまって日向ぼっこを充分にしていた。週に数度あるかないかの外出は太陽光を浴びる唯一の機会でもある。陽の光を浴びるのが何よりの幸せだと連れ出すたびに言うものだから、家を空ける際は、こんな過ごしやすい晴天に散歩に連れ出せなくて申し訳ないな、などと思ったりする。私とその家族にとって、光、特に日光はとても特別で、心から希求するものであった。『曝光夢幻のニューロパシー』は私の個人的な『イエ/家族』について思案するところから出発するものである。自らの身体を光へと投げ出す――曝光する――ことでのみ紡がれるイメージ。そのようなものを描出したいと、私は思ったのだ(荒渡巌)」。