EXHIBITIONS

石井海音 個展「視線のたより」

石井海音 起きた人 2021

石井海音 お風呂のおばけ 2021

 イムラアートギャラリーでは初となる、石井海音の個展「視線のたより」を開催する。10月22日まで。

 石井は1994年大阪府生まれ、2020年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。同年、京都市立芸術大学作品展にて大学院市長賞を受賞、AATM アートアワードトーキョー丸の内2020にも出品(新丸ビル、東京)。21年はグループ展「絵画の見かた reprise」(√K Contemporary、東京、2021)、「biscuit gallery opening exhibition II」(biscuit gallery、東京、2021)などに参加し、いま注目を集めている作家のひとりだ。

 石井の作品は、幼い頃から描いてきた絵や日常の延長線上である作家の個人的経験をモチーフとしており、「可愛い」を意識して描かれる独自のキャラクターに加えて、その線づかいが魅力のひとつ。構図は2次元的な構成ながら、画中画や、レイヤーとして重ねて描かれる線により、多層的な空間の広がりや時間の重なりなど、3次元、4次元的な印象を受ける。

 本展では、独自の絵画の試みる石井の新作約11点を展示。作家は次のステイトメントを出している。

「私が絵に送った視線は窓を抜け、鏡ではね返り、絵の中の絵をさまよったり、時には自分を見つめ返したりします。『視線のたより』では、そんな別の世界へ広がる可能性を秘めたモチーフとともに、絵と私との眼差しのやりとりを描きました(石井海音)」。