河野未彩 個展「←左右→」

　視覚ディレクター／グラフィックアーティスト・河野未彩の個展 「←左右→」がCALM & PUNK GALLERYで開催される。

　河野は2006年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業。音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、2000年代半ばから創作活動を開始。グラフィックデザイン、映像、プロダクト、空間演出など数多くの色彩快楽的な作品を手がけてきた。

　2018年の「not colored yet」展（CALM & PUNK GALLERY）では、光の三原色の原理を利用し色づいた影をつくる照明装置「RGB_Light」を発表。その後、特許取得から製品化までを実現した。同年に京都で巡回展を開催したのち、19年にラフォーレミュージアム原宿での大型展覧会「PHENOMENON : RGB」に参加。21年夏にはアートプロジェクト「PROJECT ATAMI」に選出され、熱海での滞在制作に取り組むなど精力的に作品を行っている。

　河野の活躍は展示にとどまることなく、BOREDOMSや加山雄三らまったく毛色の異なるミュージシャンたちへのアートワーク提供、MVのディレクション、ラフォーレ原宿の広告ビジュアル制作、アパレルブランドとのコラボレーションほか多彩なポートフォリオに描かれている。

　本展では、これまで目にした景色に内包される「現象」を作品を通してとらえることを試みる。描かれる自然の木々や山々、海に広がる水平線、それらの空間にひかり輝く色彩は、今回全長3.6メートルのレンチキュラー作品によって表現される。