EXHIBITIONS

京都市京セラ美術館開館1周年記念展

コレクションとの対話:6つの部屋

2021.10.09 - 12.05

Untitled(Display Case #66) 2021 © Gottingham Image courtesy of Out of Office and Studio Xxingham

加藤一雄 ポートレイト

川村曼舟 霧氷 1936 京都市美術館蔵

青木淳によるファサドのためのコラージュ

竹内栖鳳 写生帖(鳥類写生) 1880–1881 京都市美術館蔵

宮永愛子 みちかけの透き間 ‐ 時計‐ 2017 写真=木奥恵三 © MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery

(初代)宮永東山(印錦光山) 彩釉蕪文花瓶 1905 京都市美術館蔵

ひろいのぶこ 「つなぐ、、、つながる」展示風景(ギャラリー恵風、2018)

山鹿清華 手織錦屛風 立花 1935 京都市美術館蔵

 京都市京セラ美術館は開館1周年記念展のひとつとして、「コレクションとの対話:6つの部屋」を開催。ジャンルや時代を超えたスペシャリストが異なるアプローチで同館のコレクションと「対話」し、作品にまつわる秘められた歴史や物語を引き出す。

 1933年に「大礼記念京都美術館」として開館した同館。地道な収集を重ねてきた所蔵品は現在約3800点を数え、とくに近代日本画コレクションとしては国内有数の内容を誇り、洋画・工芸・版画についても名品が多く含まれる。

 本展では6つの部屋を設け、現代美術家や建築家、かつて同館に在籍し草創期・転換期を支えた学芸職員、また日本でのキュビスムの波及に影響を与えた画家といった面々が、コレクションと対話する。同館の歴史や所蔵品からインスパイアされた新作の制作や、下絵を用いた展示空間の構成、また時間を可視化する場の創出など、実験的な試みとなる。

 対話者は、竹内勝太郎(学芸職員・詩人、ことば×日本画)、加藤一雄(学芸職員・文筆家、ことば×日本画)、アンドレ・ロート(画家、西洋×日本の洋画)、青木淳(建築家・同館館長、建築×日本画下絵)、宮永愛子(現代美術家、時間×工芸)、ひろいのぶこ(繊維造形作家、テキスタイル×染織)、髙橋耕平(現代美術家、映像×版画)。

 館長であり、本展の会場構成を手がける青木淳は、コレクションと対話する作家のひとりとして、また会場構成デザイナーとして本展に参加。自ら改築を手がけたのちに館長を務める同館で、どのようにコレクションやその展示空間と対峙するのか、見どころのひとつとなる。