EXHIBITIONS

生誕160年記念

グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生

2021.09.14 - 11.07

アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス アップル・バター作り 1947 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託) © 2021, Grandma Moses Properties Co., NY

アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス 村の結婚式 1951 ベニントン美術館蔵 © 2021, Grandma Moses Properties Co., NY

アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス 魔女 1960 個人蔵(グランマ・モーゼス・プロパティーズ、ニューヨーク寄託) © 2021, Grandma Moses Properties Co., NY

「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生」が静岡市美術館に巡回。アメリカの国民的画家、グランマ・モーゼスの日本での回顧展は16年ぶりとなる。

 グランマ・モーゼスの愛称で親しまれるアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860〜1961)は、70代で本格的に絵画を描き始めた。生涯をアメリカ北東部の農村で暮らした経験をもとに、四季の移ろいや日々の仕事、季節ごとの行事などを、豊かな色彩と素朴な筆致で詳細に描き出し、101歳で亡くなる年まで1600点以上の作品を制作。これらの絵は偶然、村を訪れたコレクターの目にとどまり、1940年、80歳の時にニューヨークで初個展を開くこととなった。

 米国各地で展覧会を開催し、当時の大統領トルーマンより表彰を受けるなど、国民的画家となってからもモーゼスの堅実な暮らしぶりは変わらず、日々を喜びに満ちたものにしようと生きた農村の人々の暮らしを描き続けた。

 本展では、最初期の油彩画から100歳で描いた絶筆、愛用品や関連資料など、日本初公開を含む約130点を紹介。当時、大恐慌や戦争を経験し、疲弊していたアメリカの人々の心をとらえた作品は、いまを生きる私たちにも温かく、力強いメッセージを投げかけてくることだろう。