EXHIBITIONS

折元立身「Ghost of Art-Mama」

 青山目黒では、川崎出身/在住で国際的な活動を展開する美術家・折元立身の個展「Ghost of Art-Mama」を開催。主にウインドーでの展示となる本展は、東京では初発表の新作を公開する。

 折元は1990年代〜2017年まで、アルツハイマー病の実母・男代(おだい)の介護をしながら、母を題材に、関わって行くその状況そのものをコラボレーションとして膨大な作品を制作・発表。19年には、そのなかでの代表的な作品である、ベートーヴェンの「運命」に合わせて母の髪の毛を逆立てたり戯れたりする映像《ベートーベン・ママ / 2012》を「London East Asia Film Festival 2019」(テート・モダン)に出品した。

 折元は展示があるたびに現地に赴くだけでなく、都度手近で入手した物品で制作し、路上などでアクションを実施する。新作《ゴースト・オブ・アートママ》の制作に際しても、フィルムディレクター・David B.の協力のもと、亡き母のポートレイトのお面を被り、母に扮してロンドンの路上を散歩した。

 ロンドンの屋外で行った散歩のイベントという記録映像を展示するのに相応しい環境として、本展では、《ゴースト・オブ・アートママ》の映像とポスターなどの印刷物を、東京の路面沿いのショーウィンドウにて展示。また関連作としてスペース内には、同じ滞在時期に制作し母宛に投函した絵ハガキのシリーズ約60点も展示予定(休業要請の状況によって変更となる場合あり)。

 またこの時期に折元は、50年続く国際学会的な現代アートフェスティバル「Steirischer Herbst ’21」(グラーツ、オーストリア)に参加する。