EXHIBITIONS

インディゲリラ「Cosmic Waltz」

インディゲリラ Eternal Now 2021 © indieguerillas Courtesy Mizuma Art Gallery

 ミヅマアートギャラリーでは、インディゲリラの日本初個展「Cosmic Waltz」を開催する。

 インディゲリラ(indieguerillas)は、ミコ(1975年インドネシア・クドゥス生まれ)とサンティ(1977年インドネシア・スマラン生まれ)の夫婦によるアーティスト・ユニット。1999年、最初にグラフィックデザイン・オフィスとして立ち上がったインディゲリラは、「新たな可能性を見出すためにつねにゲリラでいる」という哲学により、2007年にフルタイムのアーティストとなった。2人の熟練した視覚効果への手腕と、様々なメディアを横断する実験的な試みに加えて、その作品はまた民族学的影響においても評価されている。

 本展では、「私たちが身体の動きにどれほど無意識であるか」という人体へのシンプルな観察からたどり着いた新作群を展示する。

 2018年にドイツ・シュツットガルトの滞在で西洋のアートヒストリーにふれたインディゲリラ。「Cosmic Waltz」で発表される作品群は、ポップカルチャーとジャワの伝統的なイメージとともに、20世紀の近代絵画から着想を得ている。いっぽうで遠近法を排除したような構成には、すべてが平面と2次元であらわされるインドネシアの影絵人形劇「ワヤン・クリ」の影響も見られる。

 本作におけるオブジェクトの抽象化は、2人がものの本質を感じることに関心を持っていることの現れであり、また作品中の色彩は、幸福に満ちた前向きな人生を祝福するムードを後押しするように選定されている。インディゲリラはジャワ人として、ものごとを前向きに受け止め、身をまかせる「スマラー(sumarah)」であれと教えられ、喜びを表すために鮮やかで躍動感のある大胆な色彩を一連の作品群に用いている。

 本展では、様々な見え方の違いを体験してほしいというユニークで新しい試みとして、一部の作品を毎週90度ずつ回転させる予定。健やかで自由な身体こそが幸福の原点であることを、私たちはインディゲリラの祝祭的で、躍動感あふれる作品に見出すことができるだろう。