EXHIBITIONS

松延総司「Ghost of Copy」

The Container
2021.07.26 - 10.11

installation view

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松延総司 Ghost of Copy(Gray)#6 2019

松延総司 Ghost of Copy(Gray)#12 2019

松延総司 Ghost of Copy(Gray)#15 2021

松延総司 Ghost of Copy(Gray)#84 2021

 The Containerでは、松延総司の個展「Ghost of Copy」を開催し、サイトスペシフィックなインスタレーションを展示している。

 松延は1988年熊本県生まれ。現在は主に京都と滋賀を拠点に活動し、一貫して「無形のもの」をとらえることをテーマとした作品を発表。箱や輪ゴムや小石といった日常に存在する万物の美しさに関心を抱き、彫刻やインスタレーション、ドローイング、写真の制作に取り組んでいる。

 本展で松延は、「Ghost of Copy」シリーズより、滋賀の農村に置くにある作業場やスタジオ、周辺の自然、陶芸工房など、自身の日常生活に存在する様々なものとその在り方をとらえた新旧の写真作品を展示。照明が落とされ、親密な雰囲気の展示空間を活かした、サイトスペシフィックなインスタレーションとなる。

「Ghost of Copy」はそれぞれ、グレースケールで「反射、反転、反復」を強調する操作がなされ、リアルとバーチャル、具象と抽象、自然と人工、軽さと重さの接合を見せる。また幾何学的なものと抽象的なもの、自然物と人工物の「中間」が模倣され、例えば、農業をテーマとした写真作品は、有機的な形状を彷彿させるいっぽう、その模様が農業の機械化と大量生産の象徴を思わせる。
 
 同シリーズの写真約80枚は、ローテクなカルーセル・スライドプロジェクターを使ってギャラリーの後方壁に投影される。反復的なメカニズムで再生されるスライド・プロジェクションはバーチャルなスケッチブックのように、松延が10年以上にわたって考えてきたコンセプトや美学が要約された作品を文脈化し、哲学的で美しく、生理学的で知的な卓越した物語の表象を可能にする。