EXHIBITIONS

小田宏子

FRAGMENTS

2017.09.26 - 11.05

小田宏子 くもの柱(部分) 2004-07 個人蔵 撮影=末正真礼生

小田宏子 くもの柱 2004-07 個人蔵 撮影=末正真礼生

小田宏子 seed of... 2008 個人蔵 撮影=末正真礼生

小田宏子 共にあるものについて 2012 個人蔵 撮影=仲田弘二

小田宏子 無題 1999 個人蔵 撮影=仲田弘二

 倉敷市出身の画家・小田宏子の創作活動を振り返る展覧会が開かれる。

 小田は高校時代に倉敷素描絵画研究所で洋画家の河原修平に師事し、岡山大学教育学部特設美術科に進学。1958年から河原主宰の燈仄(とうそく)会や東光会などで作品発表を重ねた。

 74年に名古屋市内のキリスト教会で洗礼を受けたことを機に、連続するパターンが登場する抽象表現を開始。次第に平面的絵画表現から、カンヴァスを素材として扱ったヒダ状のレリーフを画面に生み出す試みや、カンヴァスの重なりによる奥行きを意識するようになる。

 また、96年の「国際丹南アートフェスティバル」を主宰した八田豊と出会い刺激を受けた小田は、翌年から和紙を用いた制作を始め、雁皮紙(かんぴし)と呼ばれる和紙で、綿を包んだふくよかなオブジェによるインスタレーションを展開した。

 本展では、作家の初期の油彩画から晩年の雁皮紙によるオブジェ作品までを展示。実直な精神で数々の試行を続けながら、真摯に表現と対峙した小田の生涯をたどる。