EXHIBITIONS

丸木位里生誕120周年記念

丸木位里・丸木俊 命どぅ宝 沖縄戦の図 全14部展

2021.06.17 - 2022.01.17

丸木位里・丸木俊 沖縄戦―きゃん岬 1986(本展ちらしより)

 佐喜眞美術館では丸木位里の生誕120周年の節目に、「丸木位里・丸木俊 命どぅ宝 沖縄戦の図 全14部展」を開催する。

 広島に原爆が投下され、人類が初めて体験した核兵器の凄絶さを30年以上にわたり《原爆の図》全15部に描き続けた丸木位里(1901〜1995)と丸木俊(1912〜2000)。位里が81歳、俊が70歳の晩年になって取り組んだのが地上戦を体験した沖縄戦だ。6年の歳月をかけて制作された《沖縄戦の図》14部は、山脈のような2人の画業の集大成となった。

《沖縄戦の図》の連作がほかの共同制作と決定的に違うのは、沖縄の人々が丸木夫妻の前で証言し、モデルになり、それぞれの場面を沖縄の「現場」で描いたこと。「地上戦を知らない私たちは沖縄の人たちから学ばなければならない」と、2人は慶良間諸島、沖縄島、久米島、伊江島の現場と人々を精力的に訪ね歩いた。

《沖縄戦の図》には、丸木夫妻の「人間といのち」への深い鎮魂と、地上戦を生きのびた人々の、「どんなことがあっても生きなさい」という「命どぅ宝(ヌチドゥタカラ、命こそ宝)」への決意が込められている。

 本展では《沖縄戦の図》の全14部を展示。戦後75年を迎えた昨年に続き、全14部を展示するのは開館以来2回目となる。

 また会期中の6月20日には、NHK Eテレ『日曜美術館』で特集「丸木位里・丸木俊『沖縄戦の図』 – 戦争を描いてここまで来た 佐喜真美術館 –」が放送予定(再放送6月27日、詳細はNHKのウェブサイトへ)。