EXHIBITIONS

displacement / Rondade + ori.studio

2021.06.04 - 07.18

「displacement / Rondade + ori.studio」展より

 日本の出版社・Rondadeと中国のori studioによる展覧会「displacement」がCAGE GALLERYで開催されている。

 2019年から始まった「displacement」は、Rondadeによる「本」と「場」にまつわる実験的なプロジェクト。Rondadeは、様々なアートフォームを創造の初期衝動に立ち返り、既成の枠にとらわれないかたちと方法で現化することを目的に設立され、これまでアートブックの制作や、写真集『冨井大裕:関係する / Interact』、伊丹豪『photocopy』、Buku Akiyama『Composition No.1‒10 and the derivatives, 2001‒2016』、澤田育久『substance』などを出版している。

「displacement」の2回目の展覧会である今回は、中国の出版社ori studioと共同し、CAGE GALLERYの2つの窓を分け合い、それぞれが表現する。

 ori.studioは、Maxim Cormierと範雪晨(ファン・シエーチエン)より2016年に設立。主に「da 大 in print」の出版プロジェクトを通じて、アート、デザイン、建築の分野において「迂回路(detours)」を生み出し、新たに生じる様々な解釈を紹介している。主な出版物は『c-site』シリーズ、『Soushi Tanaka:Post』『n-site』がある。

 本展は、市場で見つけた1冊の本を、Rondadeとori studioそれぞれが解釈。Rondadeは本を三次元にとらえ直し、別の構造からイメージしたオブジェクトを、ori studioは窓の透過や障壁という要素を取り入れた印刷物を制作する。展開は異なるものの両者に共通しているのは、印刷物の平面性を立体的に解釈することであり、「本」というメディアを再考する試みとなる。