EXHIBITIONS

館勝生 1994-2008

2021.04.28 - 05.16

館勝生 July. 7. 2008 2008

 抽象表現によって、短い画業のなかで様々な変化を見せた美術家・館勝生(たち・かつお、1964〜2009)。その展覧会「館勝生 1994-2008」がYoshimi Artsで開催される。

 館は三重県出身、大阪芸術大学芸術学部美術科卒業。1990年代初めは、実家が営む養蜂場での体験を着想源とした有機的な存在をモチーフに抽象絵画を制作し、90年代中頃には虫のようなモチーフを解体して宇宙的な空間を表現した。

 2000年以降の作品では、大幅な余白のある画面に、激しい生命観を持ったような抽象化された有機体を描き込んでいたが、画業の晩年には、有機体の存在感を大きくさせると同時に、余白に絵具を塗らず、時間が流れているようにも、止まっているようにも感じられる絵画空間を展開した。

 本展は、キャンバス作品だけではなくドローイングも交えた構成。同ギャラリーでは9年ぶりの出品となる《July. 7. 2008》や、阪神・淡路大震災で被災し、あまり作品が残っていない時期にあたる1994年作のドローイング《archetype》など、計5点を紹介する。