深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」

「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢』」が岩手県立美術館に巡回。透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描く、斬新な手法で注目を集めている現代美術家・深堀隆介の作品約300点が集まる。

　深堀は1973年愛知県生まれ。2000年、アーティストとしての活動を悩んでいた時期、放置していた水槽で生き続ける金魚の存在に気づき、その美しさに心打たれ、金魚をモチーフに制作し始めた。この体験を深堀は「金魚救い」と呼び、様々な手法で表現を追求し続けている。

　深堀は独自の技法を探求しするなかで、器に樹脂を流し込み、その表面に絵具で金魚を少しずつ部分的に描き、上から樹脂を重ねる作業を繰り返すことで、立体感のある金魚に仕上げる方法を編み出した。この独創的な技法は、絵画作品と立体作品の境界に揺さぶりをかける革命的絵画として、「2.5Dペインティング」とも称され、国内外で高い評価を受けている。

　本展では、「2.5Dペインティング」の技法を用いた作品とあわせ、インスタレーションや絵画、映像などを展示。躍動感にあふれ、不思議な美しさを湛えた金魚の世界を楽しみたい。