EXHIBITIONS

高島進展「二つの眼」

2021.04.12 - 05.01

高島進展「二つの眼」より

 美術家・高島進(たかしま・すすむ)の個展「二つの眼」が画廊香月で開催されている。5月1日まで。

 高島は1959年兵庫県生まれ。84年に武蔵野美術学園油絵科を修了。87〜88年にアジェンデ美術学校(メキシコ)に1年留学。主な受賞歴に、第11回青木繁記念大賞公募展/優秀賞(2002)、第14回多摩秀作美術展/大賞(2000)、第2回昭和シェル石油現代美術賞展/奨励賞(1997)など。これまで国内外で個展を多数開催、アートフェアにも参加している。

 高島は、描き始めから終わりまでのあいだに線の太さが変わる筆や色鉛筆を使い、筆跡を切れ目なく反復させてドローイング作品を描いてきた。画廊香月での初個展に寄せては、次のように述べている。

「私の作品は、太さの変わる線の反復で出来ていますので、最終的には台風のような一つ眼の渦の形になります。これが基本的な作品の形ですが、ここ数年、私は二つの眼を持つ作品に取り組んできました。

これまで、『メタルポイントと紙のためのドローイング』、『鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング』で試みてきましたが、今回は新たに、『筆、インクと紙のためのドローイング』と『金筆、カラージェッソとキャンバスのためのドローイング』の二眼作品に取り組みました。

囲碁では、二眼を持つ石の形を、絶対に相手に取られない『生きる石』と呼びます。二眼を持つ作品も『生きる形』になればと願っています(高島進)」。