EXHIBITIONS

デビュー50周年記念 萩尾望都 ポーの一族展

2021.04.17 - 06.13

© 萩尾望都/小学館

バラのロンド 2019(本展のための描き下ろし) © 萩尾望都/小学館

エヴァンズの遺書 1975(「ポーの一族」シリーズ) © 萩尾望都/小学館

 マンガ家・萩尾望都のデビュー50周年を記念した展覧会が久留米市美術館で開催される。

 萩尾は1949年福岡県大牟田市生まれ。1969年に『ルルとミミ』でデビュー。これまで小学館漫画賞(1976)、日本SF大賞(2006)、2016年度朝日賞ほか受賞多数。代表作に『ポーの一族』をはじめ、『トーマの心臓』(1974)、『11人いる!』(1975)、『残酷な神が支配する』(1992〜2001)、『バルバラ異界』(2002〜2005)などがある。2012年には紫綬褒章を受章。2019年度文化功労者の顕彰を受け、2020年に大牟田市民栄誉賞を受賞した。

 萩尾の代表作のひとつ『ポーの一族』シリーズは、バンパネラ(吸血鬼)となって永遠に少年の姿のまま生きていく運命を背負ったエドガーと、主人公をめぐる数世紀にわたる群像劇を描いたもの。1972〜1976年にかけて発表された15のエピソードからなり、2016年にシリーズ新作が発表されたほか、2018年には宝塚歌劇団で待望の舞台化が実現した。

 本展では、「ポーの一族」と40年ぶりに再開された新シリーズを中心に、「トーマの心臓」をはじめとする名作の数々によって、萩尾の半世紀の軌跡をたどる。今回のための描き下ろしや執筆の舞台裏の紹介や、宝塚歌劇花組公演「ポーの一族」の夢のステージの再現など、本展ならではの魅力が満載となる。

「この度久留米市美術館で『ポーの一族』の展覧会が開かれ、嬉しい心持ちです。久留米は母の実家です。親戚がいて、夏や冬の学校の休みによく泊まりに行きました。石橋文化センターへも家族で出かけました。園内を散歩し、ペリカン噴水で泳ぎ、いつも入り口の少女二人の踊る像に見惚れていました。子供時代の思い出の場所です。ここで『ポーの一族』の展覧会が開かれることが懐かしく不思議な感じがいたします。今回訪う皆様にも、楽しい思い出になれば何よりです(2021年3月10日、萩尾望都)」。

※久留米市美術館に寄せられたコメント(同館のウェブサイトより引用)。