EXHIBITIONS

サイトユフジ展「C - Canis」

サイトユフジ burning dog 2020

 美術家・サイトユフジの4年ぶりとなる新作個展「C - Canis」が、ギャルリー東京ユマニテで開催される。

 サイトユフジは1949年山形県生まれ。1973年に武蔵野美術大学産業デザイン科を卒業後、渡欧。オーストリア、ウィーンで古典絵画の油彩、テンペラ混合技法を学び、ドイツ、オーストリア、ポーランドなどヨーロッパ各地で作品を発表してきた。約15年の滞在を経て1988年に帰国し、翌年にギャルリー東京ユマニテで個展を開催。その後、山形市を拠点に国内外の展覧会で発表を続けている。

 ギャルリー東京ユマニテででは20数年ぶりの個展となった前回「GANDA」(2017)では、アルブレヒト・デューラーの木版画《RHINOCERUS》のモデルとなったインドサイ「GANDA」を、人間の想像力や欲望を刺激したシンボリックな存在としてモチーフに扱った。
 
 今回の展覧会タイトルは「Canis(犬属)」。ヒトとイヌが重なって見えると言うサイトは、これまで様々な動物を描いてきたが、それらはすべて自然のままではなく、人の手が加わった生命、死であり、自身の目を通して映る人間の日常を描いている。そこには、現代社会の様々な不安が大きな炎となって燃え上がっているようだ。

 本展では、いま渦中にあるコロナや自然災害など人間を取り巻く社会への大きな不安と向き合い、美術家として葛藤した日々を作品化し発表する。