EXHIBITIONS

五島記念文化賞美術新人賞研修帰国記念

堀江栞個展「声よりも近い位置」

2021.04.03 - 05.15, 2021.04.03 - 04.17

堀江栞 ここに在ることⅨ 2020 和紙に膠、岩絵具 116.7✕72.7cm

堀江栞 輪郭#11 2020 和紙に膠、岩絵具 90✕45cm

堀江栞 凛然 2010 和紙に膠、岩絵具 145.5✕72.3cm

 堀江栞の個展「声よりも近い位置」が、√K Contemporary(4月3日〜5月15日)、Space√K(4月3日〜17日)で開催される。

 堀江は1992年フランス生まれ。2014年多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻卒業。同年に加島美術で初個展を開催し、動物を中心に対象物を包み込むような優しい目線で描かれた作品を発表。それらは息吹きを感じるほど、生命の尊さと儚さを内に秘め、表面の静けさが独特の美しさを放っていた。

 堀江はその後、アートフェア東京2015の加島美術のブースにソロで出展。同年、第6回東山魁夷記念日経日本画大賞展に入選し、翌年に第26回五島記念文化賞受賞(主催:公益財団法人 東急財団)により、一年間パリに滞在した。20年には「第6回世田谷区芸術アワード“飛翔”」美術部門で受賞。今年3月に受賞記念展を世田谷美術館区民ギャラリーで開催した。文芸書の挿画・装画、文芸誌などでエッセイも手がける。

 本展は、堀江のパリでの海外研修の成果発表展として、東急財団の助成のもと開催する個展。堀江が海外研修を経て初めて描き始めた人物画を中心とする近作や、パリ滞在中の写真、また担当した本の挿画・装画の原画も展示される。

「傷つけられ、痛みを負い、哀しさや辛さを抱えた存在たち」を描き、一見静謐な世界ではあるがその内面の精気で私たちに訴えかけてきた堀江。パリでの滞在を経て技術だけでなく精神面でも成長したいま、「痛みを負った哀しさや辛さを抱えている者たちの声を聴き取」り、「単なる共感からだけではなく、その抗いの姿勢を継承するため」描いていきたいとしている(アーティストステートメントより)。

 なお本展は、√K ContemporaryおよびSpace√Kに続いて、加島美術(5月29日〜6月12日)で開催される。