EXHIBITIONS

生誕120年・昭和を考える

木村伊兵衛 展

木村伊兵衛 秋田おばこ 1953(昭和28) 何必館・京都現代美術館蔵

木村伊兵衛 紙芝居 月島 1954(昭和29) 何必館・京都現代美術館蔵

木村伊兵衛 高峰秀子 1956(昭和31) 何必館・京都現代美術館蔵

 何必館・京都現代美術館は、写真家・木村伊兵の生誕120年の節目に展覧会「昭和を考える 木村伊兵衛展」を開催する。会期は3月13日~5月23日。

 木村伊兵衛(1901〜1974)は、日本の近代写真史上もっとも重要な写真家。「ライカの神様」と言われた木村は、その軽快なカメラの性能を生かし、それ以前に主流であった絵画的な表現から、動的印象をとらえるスナップ写真という新しい表現方法を開拓し、日本写真界に新たな潮流を生み出した。

 木村が活動した「昭和」は大戦をはさんだ激動の時代。しかしその作品から受ける印象は驚くほど穏やかで、豊かな情緒にあふれている。木村の写真作品は、躍動する時代をとらえた優れたルポルタージュであり、昭和の人々の生き生きとした姿は、現代の私たちが失いつつある大切なものを、思い出させてくれる。

 本展は「戦前・戦後」「庶民の町」「日本列島」「人物」「秋田」のテーマに構成。輝かしい昭和という時代に焦点を当て、 木村の代表作《秋田おばこ》をはじめ、何必館コレクションより厳選した作品約60点を展覧する。