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EXHIBITIONS

コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 ノノ かみと布の原郷

隅田正三 大井谷の冬景色 1971 撮影=隅田正三

上溝武の敷布(部分) 藤 昭和初期 個人蔵 撮影=仲川あい

工藝ぱんくす舎 鬼怒沼の髪すき沼 2020 撮影=前田征紀

 日本古来の素材や手漉き和紙を研究してきた、コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎による展覧会「ノノ かみと布の原郷」が島根県立石見美術館で開催される。

 コズミックワンダーは1997年、前田征紀を主宰として設立。「精神に作用する波動」としての衣服、美術、書籍など多様な表現の領域を超えて展開している。2015年の「ミエルかみ」展(gallery白田、京都)におけるパフォーマンス「かみのひかりのあわ 水会」を皮切りに、工藝ぱんくす舎とともにに作品制作・発表を開始。17年に「COSMIC WONDER 充溢する光」展(島根県立石見美術館)、19年に「COSMIC WONDER Harmonic Meditation」(Taka Ishii Gallery、香港)を開催した。

 工藝ぱんくす舎は、前田征紀と石井すみ子の精神の空間を創造する美術ユニット。近年の個展・パフォーマンス、17年の「かみ コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎」展(資生堂ギャラリー、東京)など。手漉き和紙や自然布について独自の感性から研究を続けている。

 本展は、日本の様々な地域に残された「自然布」から、各地の風土と一体となった人々の暮らしや自然観、精神性を見つめ、人と自然とのこれからの関係について展望しようとするもの。コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎の独自の視点で選出された「自然布」と糸車や織機などの紡織用具、布の組織痕が残る縄文時代の土器片、そして「コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎」による手漉き和紙を用いた新作とパフォーマンス、撮り下ろしの映像や写真を展覧する。

 かつて人々が暮らしの身近にある草木から繊維を績み、手作業でつくられた「自然布」は、地域それぞれの特徴的を文化を色濃く反映している。本展は、そばにあるものを大切にして生きていた時代の布とかみ、そしてそれらに共鳴してあらたに生み出された作品から未来を見つめる。