EXHIBITIONS

テーマ展「豊かなる茶陶」

2021.01.20 - 05.09

大石早矢香 モノノアワレ犬茶碗 2020 個人蔵

高橋奈己 白磁茶碗 2020 個人蔵

松永圭太 Cave 2021 個人蔵

大上伊代 丹波 白澤盌 2020 個人蔵

 茨城県陶芸美術館がテーマ展「豊かなる茶陶」を開催。室町時代末期にまで発祥の歴史を遡る茶陶の、豊かなる展開の一端を作品約100点によって紹介している。

 茶陶とは、茶碗、茶入、水指、花生などの茶の湯で使う陶磁器の総称で、広くは懐石料理のための食器や酒器などを含む。室町時代の茶の湯では中国陶磁器(唐物)が使用されたが、次第に国産品(和物)がとって代わった。室町時代末期〜江戸時代初期にかけてのわび茶の隆盛期には、和物の茶陶は、志野や瀬戸黒、織部などと独自の展開を見せ、「桃山茶陶」が花開いた。

「桃山茶陶」の、歪みや非対称を取り入れた形状や大胆に抽象化した文様などの自由闊達な造形意匠は、当時の人々のデザインへの意志と鑑賞性への意識を強く感じさせる。時代を下って昭和の時代においても、桃山茶陶の意匠性や造形思考はつくり手にとっての指標となり続け、そして現在ではいっそう自由に、自身の表現の延長線上で茶陶を制作する作家が活躍している。

 本展の主な出品作家は、東香織、伊勢﨑晃一朗、植葉香澄、江波冨士子(ガラス)、大石早矢香、大上伊代、大谷工作室、加藤委、桑田卓郎、Keicondo、五味謙二、齋藤まゆ、酒井敦志之、坂井直樹(金工)、佐藤雅之、須藤訓史、田泉夏実(漆)、高橋朋子、高橋奈己、田淵太郎、冨川秋子、永草陽平、奈良美智(現代美術)、新里明士、林恭助、林友加、福本双紅、穂髙隆児、松永圭太、松村淳、三上亮、水元かよこ、御手洗真理、三輪華子、横山拓也、和田的。