EXHIBITIONS

田渕由美子展

~1970’s『りぼん』おとめちっく♡メモリー~

2021.02.11 - 06.27

田渕由美子/画 『りぼん』1979年10月号 表紙 原画

田渕由美子/画 『フランス窓便り』単行本カバーイラスト 1978年7月発行 原画

田渕由美子/画 『菜の花キャベツがささやいて』『りぼん』1979年4月号 扉 原画 

田渕由美子/画 『あのころの風景』単行本1982年4月発行 印刷

田渕由美子/画 「田渕由美子の特製下じき カレッジ・ラバーズ」『りぼん』1976年6月号ふろく 印刷

 田渕由美子は、少女マンガ雑誌『りぼん』(集英社)で1970年代後半の「おとめちっく」作品ブームを牽引したマンガ家のひとり。その初となる展覧会「田渕由美子展 ~1970’s『りぼん』おとめちっく♡メモリー~」が開催される。

 田渕は1954年兵庫県生まれ。70年、高校1年生の時に『りぼんコミック』11月増刊号の『ママって不思議』でデビュー。代表作は、同居する3人の少女たちの恋模様を描いた『フランス窓便り』。多数の人気作を世に送り出し、エッセイマンガ『チュー坊がふたり』『まらそんノススメ』では、ユーモアあふれる作風で読者を楽しませた。

 田渕が『りぼん』で連載していた70年代は、読者年齢層が小学生から大学生、働く女性までに広がり、男性ファンもいたほど。田渕らが中心となった「おとめちっく」作品には、引っ込み思案でコンプレックスを持った読者と等身大の主人公が登場し、少女たちの心情はポエム風のモノローグとして綴られた。

 白い出窓のあるおしゃれな洋室にアーリーアメリカン調のインテリア、小花模様のワンピースに白いエプロンと、「かわいいもの」をふんだんに描いたロマンチックな世界。とくに田渕が物語の舞台に選んだのは大学のキャンパスで、知的な会話や議論を交わす大学生との恋愛に、少女たちは憧れを募らせた。

 本展では、原画・雑誌・ふろくなど総数約500点で、2020年にデビュー50周年を迎えた田渕の画業を一望。『クロッカス咲いたら』『フランス窓便り』『あのころの風景』など、『りぼん』時代の代表作を中心に展示し、さらに初期作品から『コバルト』『YOU』のほか、エッセイマンガなどの近作も交えて紹介する(会期中、カラー原画の展示替えあり)。

 会場では展覧会限定のオリジナルグッズも販売。また美術館隣接の「夢二カフェ 港や」にて、期間限定の企画展オリジナルコラボカプチーノが登場する。

※弥生美術館は6月2日より再開し、本展の会期を6月27日まで延長して開催。最新情報・来館にあたっての注意事項は公式ウェブサイトへ。