EXHIBITIONS

藤原葵「閃光」

2021.01.23 - 02.14

藤原葵「閃光」(2021)より

 ペインター・藤原葵の個展「閃光」が名古屋のgallery Nで開催中。会期は2月14日まで。

 藤原は1994年愛知県生まれ。「アートアワードトーキョー丸の内 2017」で三菱地所賞を受賞。「エフェクト」をテーマに制作を行う。近年参加したあいちトリエンナーレ2019では、アニメーションのエフェクトをモチーフとした、長さ15メートルの作品《Conflagration》を発表した。主な個展に、「Finding Fireflies」(gallery N 神田社宅、東京、2020)、「ちからこそパワー!」(gallery N、名古屋、2019)がある。

 本展は、能勢陽子(豊田市美術館学芸員)のキュレーションによるもの。作家について次の言葉を寄せている。

「藤原葵は、幼少期から親しんできたアニメの爆発シーンから着想を得た絵画を制作していた。画面のなかでは多元的な空間がひとつになり、爆煙が立ち昇り爆風が吹き荒んで、閃光が無数に煌めく激しい爆発が生じていた。

 いま藤原は、ひとつのエフェクトを抽出して描いている。祈りに似た光、閃きを得た時の電流のほとばしり、瞬時に移動する動きの軌跡は、アニメやゲームの世界で人間の内面や行為を効果的に強調する、現実世界にはないものである。藤原はそれらのエフェクトを、社会に対するその時の自らの反応から選んでいる。それのみを画面に展開すれば、動きとともに継続していたはずの行為や現象は止揚して、色面と図柄からなる絵画ならではの魅惑を持った画面が生まれる(能勢陽子)」。