EXHIBITIONS

竹久夢二の美人画とモダンデザイン

-美しいもの・可愛いもの-

2021.01.23 - 03.21

竹久夢二 『婦人グラフ』第3巻第4号 表紙「エイプリル・フール」 1926(大正15) 金沢湯涌夢二館蔵

竹久夢二 草に憩う女 大正初期 静岡市美術館蔵 展示期間=1月23日~2月21日

竹久夢二 七夕図屏風 1922(大正11) 金沢湯涌夢二館蔵 展示期間=2月23日~3月21日

竹久夢二 千代紙「三角模様」(みなとや版) 1914-16(大正3-5)年 千代田区教育委員会蔵

竹久夢二(装幀) 『セノオ楽譜』No.333「アヴェマリア」 1924(大正13)年(初版) 金沢湯涌夢二館蔵

 竹久夢二の美人画とデザインの両面からアプローチする展覧会「竹久夢二の美人画とモダンデザイン」が開催される。

 明治時代の岡山県に生まれ、いまも世代を超えて人気を集めている作家・竹久夢二(1884〜1934)。1905(明治38)年、雑誌『中学世界』でコマ絵が第一等入選したことで一躍有名になり、以来、情緒あふれる美人画で一世を風靡した。

 そのいっぽうで、色彩や構成に対し瑞々しい感性の持ち主であった夢二は、デザイナーとして商業デザインの分野でも活躍。1914(大正3)年には、日本橋に自らデザインした絵葉書や千代紙、封筒などを販売する「港屋絵草紙店」を開店し、それらの商品は、店の売出しチラシにおいて「美しい」「可愛い」という言葉を用いて宣伝され、人々の憧れの的となった。

 夢二は温泉地・伊香保を度々訪れ、1930(昭和5)年に榛名湖のほとりにアトリエを建てたほか、生活と美術を結ぶことを理念とした「榛名山美術研究所」を構想するなど、群馬ともゆかりが深い作家だ。群馬の県立美術館において40年ぶりの開催となる本展では、「夢二式美人」と呼ばれる女性像を描いた肉筆画を展示。そして書籍の装幀、雑誌の表紙や挿絵、絵葉書、楽譜など夢二が手がけたデザインの数々から、大正〜昭和にかけてのモダンデザインの様相に着目する。

 さらに書簡などを通して、夢二と群馬とのかかわりにもフォーカス。豊富な夢二コレクションを有する美術館・記念館・文学館・個人コレクターより借用した約300点を一堂に集め、時代を経ても色褪せない夢二の作品世界を紹介する。