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EXHIBITIONS

特別展「クールベと海 -フランス近代 自然へのまなざし」

2020.12.19 - 2021.02.21

ギュスターヴ・クールベ 波 1869 ふくやま美術館蔵

ギュスターヴ・クールベ 波 1869 愛媛県美術館蔵

ギュスターヴ・クールベ 波、夕暮れにうねる海  1869 ヤマザキマザック美術館蔵

ギュスターヴ・クールベ 波 1870 オルレアン美術館蔵 © 2020 Musée des Beaux-Arts, Orléans

クロード・モネ アヴァルの門 1886 島根県立美術館蔵

 特別展「クールベと海 -フランス近代 自然へのまなざし」がふくやま美術館で開催される。

 19世紀フランスで活躍した画家ギュスターヴ・クールベ(1819〜1877)は、現実を理想化して表現するそれまでの絵画を否定し、目の前の世界を「あるがまま」に描いたレアリスム(写実主義)の画家として知られている。政治に反発して悲惨な労働者の姿を写実的に描き、また浴女の姿を卑俗的に描写するなど「美しい」ものを表現すべきであった「美術」の概念を大きく変えた。

 またクールベは、故郷フランシュ=コンテ地方の切りたった山や森、そこに息づく動物たち、フランス北部のノルマンディー地方の海など、厳しい自然の姿を描いた作品も多く残した。

 スイス国境近くの山々に囲まれた小さな町オルナンに生まれたクールベが、初めて海を目にしたのは22歳のとき。うねる波、どこまでも続く水平線に圧倒され、とくに1860年代以降に好んでその情景を描き、当時の人々から賛辞を得た。クールベは波のみに肉薄し、それまでの時代に描かれた物語性や感傷性に富む海とも、後の世代が描いた海水浴客のいる身近な海とも、異なる視点で海をとらえた。

 本展では、クールベの海の絵画を中心に、故郷を描いた風景画や狩猟画を展示。またクロード・モネやジャン=フランソワ・ミレーなど、ほかの画家たちが描いた海を紹介し、自然へのまなざしが大きく変わる時代に、近代絵画の革新者・クールベがどのように自然と対峙したかを探る。