EXHIBITIONS

山田純嗣個展 絵画をめぐって 点景

2020.11.24 - 12.12

山田純嗣 (20-9)間に竹に入る路を看て自と山に向かう心有り 2020

 既存の絵画世界を独自の技法で再構築する作家・山田純嗣が、不忍画廊では3年ぶりとなる個展を開催する。

 山田は1974年長野県生まれ。愛知県立芸術大学美術学部油画専攻卒業。現在、名古屋在住。東西の名画を立体化して撮影し、その写真のうえに銅版画やペインティングを重ねる「インタリオ・オン・フォト」と呼ぶ独自の技法で制作を続けてきた。

 本展では、名画を再構成する「絵画をめぐって」シリーズの最大サイズとなる、長澤蘆雪の《群猿図》をモチーフにしたインタリオ・オン・フォトの新作を中心に、カラーペインティングの小品40数点をインスタレーションのように展示・対峙させる。

 山田は今作において、一見抽象絵画に見える作品も、そのなかに点のように描かれた人物を発見することで、抽象は具体的な風景に変化し、「鑑賞者は画中の人物の視点で作品のなかに入っていけるのではないか」という仮説のもと、東洋の山水画から得た絵画空間の概念を西洋絵画の手法で展開する。なお本展の出品作は、オンライン展覧会でも公開中。