夢二が愛した日本　― 桜さく国のボヘミアン ―

　大正ロマンの画家として知られる竹久夢二。日本の郷愁と西欧のモダニズムを自在に表現し、和洋折衷の作風が夢二の作品の魅力のひとつとなっている。

　恋多き画家でもあった夢二は、国を持たずさすらう旅人に自らを重ねて漂泊の人生を歩んだいっぽう、日本への愛着もひとしおであった。

　竹久夢二美術館では、夢二の「和」の部分、夢二の作品における日本らしさや日本への思いに注目する展覧会「夢二が愛した日本　― 桜さく国のボヘミアン ―」を開催。本展では、京都の舞妓と奈良の風景を題材とした二曲一双の屏風絵《加茂の露台 奈良の白壁》や、夢二自らが主催した雑誌『櫻さく国』の扉絵、またわらべ歌や子守歌を好んだ夢二が、歌いながら影踏み遊ぶをする男の子を描いた《かげやとうろくじん》などを展示する。

　ふるさとの思い出、江戸への憧憬、舞妓、着物、旅先の風景。夢二ならではの視点を通して、日本の姿を再認識できる展覧会。