EXHIBITIONS

本城直季「(un)real utopia」

2020.11.07 - 2021.01.24

本城直季 「small planet」シリーズより《Ichihara, Japan》 2020 © Naoki Honjo

本城直季 「small planet」シリーズより《Tokyo, Japan》 2005 © Naoki Honjo

本城直季 「small planet」シリーズより《Tokyo, Japan》 2002 © Naoki Honjo

本城直季 「small garden」シリーズより《after class, basketball》 2003 © Naoki Honjo

本城直季 「kenya」シリーズより《giraffe》 2008 © Naoki Honjo

本城直季 「plastic nature」シリーズより《forest, Hokkaido》 2015 © Naoki Honjo

本城直季 「tohoku 311」シリーズより《Rikuzentakata, Iwate》 2011 © Naoki Honjo

本城直季 「small planet」シリーズより《Ichihara, Japan》 2020 © Naoki Honjo

 ジオラマのように都市を撮影する写真家・本城直季の美術館個展「(un)real utopia」が開催される。

 本城は1978年東京都生まれ。2004年東京工芸大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻修了。『small planet』(リトルモア、2006)で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞。作品制作を続ける傍ら、ANAの機内誌『翼の王国』で連載するなど幅広く活動している。近年の主な展覧会に、「plastic nature」(nap gallery、東京、2015)、「東京|Tokyo」(キャノンギャラリーS、東京、2016)など。作品は、東京都写真美術館、ヒューストン美術館(テキサス)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)などに収蔵されている。

 大判カメラの「アオリ」を利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる本城。生まれ育った場所や世界に不思議な違和感を覚え、この世界を知りたい、俯瞰したいという思いを原動力に制作を続けてきた。まるでミニチュアの世界のような感覚を想起させる作品は、この世界の実在と虚構を問いかけると同時に、「まち」や「ひと」に対する、作家のあたたかく愛おしげなまなざしを感じさせる。

 作家初の大規模個展となる本展は、独自の技法を生み出すまでの試行期の作品から木村伊兵衛写真賞を受賞した「small planet」シリーズ、そこから派生して、アフリカのサバンナを切り取った初公開シリーズ「kenya」や、東日本大震災発生から3ヶ月後の東北ヘリコプターで向かい、撮影を行った「tohoku 311」シリーズなど、未公開作を含むシリーズ作品約150点を一挙に紹介し、本城のこれまでの仕事を通覧する。

 また本展の開催地である千葉県市原市を被写体とした、撮り下ろし作品10点も特別に展示される。

※市原湖畔美術館は政府からの緊急事態宣言を受け、当面のあいだ臨時休館。これに伴い、本展は2020年1月8日をもって閉幕。詳細・最新情報は公式ウェブサイトへ。