EXHIBITIONS

東城信之介「ミートパイの皮膚のうら」

2020.10.17 - 11.14

©︎ Shinnosuke Tojo

 東城信之介の個展「ミートパイの皮膚のうら」がFaro Kagurazakaで開催中。会期は11月14日まで。

 東城は1978年長野県生まれ、2004年東京造形大学造形学部美術学科比較造形卒業、05年同大学研究生修了。鋼、真鍮、銅、チタニウムなどの金属板や工業製品に大小の傷やサビなどの痕跡を施すことで、通常では見ることのできない事象や概念を視覚化させる作品の制作を行う。今年、出身地である長野県の小海町高原美術館での個展開催や、VOCA展2019でのグランプリ受賞、また中之条ビエンナーレ2019への参加や広州の美術館でのレジデンス制作および展示など、精力的に活動を続けている。

 本展では、無意識に見える像や心象風景をなぞり具現化する「Replica」シリーズを展示。加えて大型の立体作品や、初公開となるキャンバス作品やドローイングなどの新作30点も並ぶ。

 「調理された得体の知れない具物は体内でどのように変容されるのであろうか」と語るように、近年、食物などの身体とは異なる物を摂取することに関心を寄せる東城。本展においても、食物を体内に取り入れること、刻々と変わっていく社会状況や主義思想などの異物を取り入れることで身体や精神に起こる作用を、絵画や立体作品に組み込む。