EXHIBITIONS

アーティスト・フォーカス #01

竹﨑和征「雨が降って晴れた日」

2020.10.25 - 12.20

竹﨑和征 Board/Table 2020 作家蔵

竹﨑和征 十市 2012 作家蔵

竹﨑和征 orange 2020 作家蔵

竹﨑和征 Board/Table 2020 作家蔵

竹﨑和征 Hong Kong 2012 作家蔵

 高知県立美術館は、ジャンルや年齢を問わず、学芸員が推薦した高知ゆかりの作家を紹介する展覧会シリーズ「アーティスト・フォーカス」を新たにスタート。初回では、須崎市出身の画家・竹﨑和征の個展を開催する。

 竹﨑は1976年生まれ。一貫して自身を取り巻く「風景」を手がかりに絵画を制作。画面にひもや傘といった既製品を取りつける、あるいは裁断したスケッチを編み合わせるなど、筆で描くだけにとどまらず、複数の要素を足し引きしながら構築する。風通しの良い道、メダカが生息する溜池、夕暮れにうかぶ山といった、日常生活で目にする風物から得た気づきや思索をもとに繰り出される作品は、見る者の五感を揺さぶる多様な表現語彙に満ちている。

 本展は、丸亀や高知、須崎といった、画家にとって馴染み深い土地から着想した未公開の新作を中心に構成。展覧会名の「雨が降って晴れた日」は、現在、竹﨑が拠点とする香川県丸亀市の風景に取材した新作のタイトルから取られた。

 絵画ならではの豊かな描線と意外性のある素材。2次元と3次元の要素が混在する竹﨑の表現は、私たちの記憶に息づく断片的な風景のイメージとともに、言葉に尽くせない身体的な感覚をも呼び起こすことだろう。