EXHIBITIONS

備前-土と炎から生まれる造形美-

2020.10.10 - 11.08

耳付花入 銘 太郎庵 桃山時代 個人蔵

徳利 銘 トシワスレ 桃山時代 個人蔵

金重陶陽 三角擂座花入 1953〜54  岡山県立美術館蔵

藤原啓 緋襷水指 1959 東京国立近代美術館蔵

伊勢崎晃一郎 打文花器 2018 個人蔵

 岡山県東部、備前市伊部地域を中心に生産される「備前焼」は、釉薬を施さず焼き締める素朴なやきものとして古くから愛されてきた。「窯変(ようへん)」と呼ばれる薪窯を主とする焼成によって生まれる様々な表情(景色)が、ほかのやきものにはない見どころのひとつとなっている。

 本展は唐澤昌宏(国立工芸館館長)の監修により選りすぐられた備前焼の作品を展示。東京を皮切りに栃木(益子)、山口(萩)、滋賀(信楽)、兵庫(丹波)、愛知(瀬戸)と全国の窯業地を巡回し、「無釉焼き締め陶」という備前焼の個性を紹介する。

 備前焼の本拠地である岡山会場では、全国巡回の作品と、現存作家の新作や岡山県立博物館が所蔵する大壺やすり鉢などの古備前、そして個人が所蔵する希少な彩色備前や、特色ある細工物など約80点を美術館独自で展示する。